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GAKUYAのアメリカ大陸訪問記!シアトル編 -with VANAGON- Vol.3

青年も憧れるスバゴンの有名ショップ『スモールカーパフォーマンス』

 

2日目はスバルエンジンのコンバートで有名なSmall Car Performance さんに訪問させてもらった。

グーグルマップを駆使しながら到着すると、いかにも新入りという感じの青年が丁寧に駐車スペースを案内してくれた。ちょうど愛犬を散歩させている別のスタッフがいる。話を聞くとパーキングに駐車されたヴァナゴンパッセンジャーに犬と一緒に暮らしているという。

なんとも自由な風景に圧倒されながら、普段から話しているMaoがいたので挨拶。早速社内の案内をしてもらった。清潔感が高くきっちり整理整頓された店内やファクトリー内。

ここ10年でドイツ、イギリス、アメリカとたくさんのショップを訪問したが清潔さはトップクラスだ。エンジンを載せても崩れなさそうな頑丈な棚には所狭しとスワップ用のエンジンがストックされている。

一通り案内されたあとは現場のメカニックたちと談笑タイム。陽気にたくさんの話を聞かせてくれるが、こんなに邪魔していいものかこちらが心配になる。なにせ9時~17時半、月~金の営業時間だからである。何度も言うがうらやましい。話は戻るがGAKUYAでもコンバートの方法やオリジナル部分はできているのだがハーネスをいかにシンプルにそして強固にするかがポイントなんだよね、と話しているとSmall Carにはハーネスのスペシャリストがいるんだ、奴だよと紹介されたのがワンちゃんとヴァナゴンで暮らしているというあの彼だった。彼曰くすでに数百台分のハーネスを加工した、何度も失敗をしたけど今では目をつむってでも切れるぜ。そう言うなりハーネスをハサミでバシバシ切っていく。いつ『Shit!』と言うのかツッコミ体制で待っていたが言わなかったのでポーカーフェイスでなければ成功したのであろう。

そうこうしているとファクトリーの片隅でベアリングの打ち込みをしている青年がいた。とてもやり辛い方法で作業しているのを見てGAKUYAの重鎮であるマイスターアシモっちゃんがこうすれば良いよとアドバイスをすると、彼は素直に受け取りそれを実行するとすんなり作業終了。屈託のない笑顔を見せた彼は到着時に駐車スペースを案内したあの青年だったのだ。上司のメカニックも寄ってきたので話を聞くと彼は本当に新入りで、数年前にVANAGONとSmall Carの存在を知り『ここで働きたい!』と決意。学校を卒業して晴れて就職したのだという。アツイ。素晴らしくアツイ。弊社もこのようなアツイ青年がいればいつもでウエルカム。ぜひ今すぐ連絡を頂きたい(本気です)。さて、そんななかショップ前にはいかにもアメリカっぽいレッカー車により1台のヴァナゴンが届いたようである。

残念ながらそれ自身日本でもそんなに驚く光景ではないが、Maoに入庫理由を聞くとスバルコンバートにオールペイント、その他もろもろでこれから6万ドルを投資するヴァナゴンで、長年大事にしているオーナーからの依頼だという。スゲーやん、一生乗るつもりやん、っていうかそれめっちゃカッコいいやん!って言いたかったが語学力がないため断念。心の中だけで叫ぶことにした。そのほか秘密の勉強を重ね、日米のビジネスを議論しつつ最後は社長と工場長に日本のお土産のラッキーアイテム『招き猫』を贈呈して記念写真をパチリ。

アメリカのスバルコンバージョンで有名なスモールカーパフォーマンス社を訪ねてみると、とても清潔感がありながら新鮮で、若い子も憧れる誇りを持った素晴らしくナイスなショップだったのでした。(参考:https://smallcar.com/

 

 

国境をまたいでオーナーが集う『ノースウェスティ』

 

さて次なる訪問先はシアトル都市部から東南に位置するレントンという町。ちなみにこれらすべての移動にヴァナゴンWESTFALIA2台で移動している。とても気持ちがいい。最終目的地のロサンゼルスのアメリカの最新国産車をレンタルするまで改めてこの素晴らしさを語ることはこの時はまだ気づいていなかったのだが。さて、このレントンには小さなファクトリーだがノースウエスティというショップが存在する。

話がそれまくって申し訳ないがアメリカにはかなり多くのヴァナゴンショップが店を構えている。とはいえほぼメンテナンスショップであり、車両の販売はほとんどしていない。なぜなら個人売買が主流だからだ。話が長くなるのでほぼ割愛するが欧米人には売る側買う側双方に責任があるとお互い認識しているうえに、メンテナンスに関しても日常から心がけそれが資産だと思い大事にしている。だからいつまで経っても旧車に価値があるのだろう。話を戻して、筆者もその数あるヴァナゴンショップの一部だろうと思ったNORTH WESTY、さてさてそれがなかなか面白いショップだったのである。到着して声をかけてまず出てきてくれたのはまたまた若そうな子だ。筆者の個人的見解だが、お笑い芸人の双子コンビ『タッチ』のどちらかににそっくりだ。どちらに似ているか・・・と言ってもどっちも一緒か。断っておくがこれは誉め言葉だ。それくらい愛嬌があると言いたいのだ。そんな彼に案内されフロントのMaisaに挨拶し、忙しそうにしているメインメカニックとも握手を交わす。

早速社内ツアーをしくれる。ご存知の方も多いと思うがガクヤでもショールームやファクトリー、パーツ倉庫、スタッフ紹介をよくさせてもらう。これは欧米のショップが社内ツアーをしてくれるため真似ているのだ。

さてなかなかのバタつき感があるファクトリー内だが、面白いヴァナゴンが多かった。はじめに 目に入ったのはVW製の1.8リッターターボエンジンを搭載中のWESTFALIA。

最近はエンジンコンバートといえば同じ機構を持つスバル製が主流になったが、一昔前はパサートの直4ターボやゴルフ3系のエンジン、フォードのBOSTIGエンジンなんかも多く積まれていた。このノースウエスティもスバルエンジンをコンバートしているが、面白かったのはファクトリー左端に鎮座しているヴァナゴンシンクロの電気自動車仕様、いわゆるEVにカスタムしていたのだ。

このEV仕様自体は10数年ほど前から時折見かけるが、ずいぶん簡素化された印象。これからの時代は確実にそっちの方向へとシフトしていくだろう。GAKUYAでも数年以内には真剣に考える時が来るかもしれないと思ってはいるが、問題はまだまだバッテリーにある。性能はよくなっているようだが、その大きさと航続距離が課題だ。このシンクロもテスラ製の24個のバッテリーモジュールがセカンドフロアにびっしりと置かれていた。もしコンバートしてe-VANAGONやEleFALIAを作ることになっても環境はもちろん大事だが、そのバッテリーに埋め尽くされてしまい実際にキャンプなどができないヴァナゴンになってしまっては本末転倒であると思う。とはいえ確実にその時代がやってくるだろう。ちなみにこのEVシンクロはカナダに住むドクターの顧客からの特注で製作中と教えてくれた。

外にあるヤードにもヴァナゴンがパーキングされており、右端のシンクロは珍しいハイトップなのにポップアップルーフ、電動パワステ、ABSブレーキ付きというユーロベースでビルダーはCarthago製の超希少モデル。こちらもカナダのドクターがオーナーのようだ。さすがルート5を100マイルほど北上すればカナダ国境という地域だけに国をまたいでのお客さんが多い。ヴァナゴン乗りに国境はないのだろう。

アメリカ西海岸の北端にあるNORTH WESTY社を訪ねてみたら、国境を越えたヴァナゴン乗りが集まるとてもニッチでマニアックな素晴らしいお店だったのである。(参考:http://www.north-westy.com/)

 

Vol.4へつづく・・・